ペットや子供を車に置き去りは危険!実験結果と死亡事例
夏場は猛暑が続き辛い日々が続いています。買い物や遠出の移動時に車は便利ですよね。エアコンが付いていて、走っている時には、当然のことながら涼しくて屋外よりも快適で過ごしやすいです。しかし、車を止めてエアコンを切ると暑くなるということを誰もが知っていますね。
しかし、どれほど暑くなるかなんて知らない人も多いのではないでしょうか?
内部の温度について研究した人がいます。
車内の温度が高温に!獣医が実験
Dr. Ernie Ward(獣医師アーニー・ウォード)というアメリカの獣医は車内の温度がどれほど上がるかの実験を行いました。ウォードさんは海外でとても有名で、テレビにも出ることも多いのですが、獣医としてだけではなく、ペットの健康や幸せな人生を送るために様々な活動をしています。
YouTubeにアップした動画で、ウォードさんは日が当たる場所に車を駐車して、車の窓を2.5〜5センチメートルほど開けた状態にします。温度計を持って車内に入り、ドアをしっかりと締め、運転席に座ります。
温度がいったいどれほど上がり、どれほど苦しくなるか試してみたくて、自分自身でやってみることにしました。
2012年に投稿された動画の再生回数は229万人にも達していおり、話題となっています。
ウォードさんは30分間、車の中で過ごし、温度がどれほど上がるのかを実験するのです。窓はかなり開いているから大丈夫ではないかと思う方々もいるかもしれませんが、温度はかなりの速さで上がっていくのです。
車に入る時にも温度は高く、暑い日なので、34度程。
5分経つと、約37~38度に上がっています。
ウォードさんは暑そうで、全く風がないと言っています。
外には風が吹いているのですが、窓からは全くと言っていいほど涼しい空気が入ってこないそうです。
開始から10分。
温度計を見ると41度!!
汗をかいて、ウォードさんは「この実験しなければよかった。」
と苦しそうに一言。
15分経ったところで43度です。
ここでウォードさんは「子犬だったら相当やばいだろう」と言っています。
ウォードさん自身でも、とても暑そうにしています。
さらに10分が経ち、25分の時点で45度です。
かなり汗をかいているウォードさんは車を出たいと言っています。シャツが汗でずぶ濡れになっています。
しかし、ウォードさんは汗をかくことに対して悪い事だと言っていません。
「私は汗をかくことができる。しかし、犬にはできない。犬が汗をかくことは不可能なんだ。」
と言いました。
30分の時点で47度。どんどん上がっていきます。
犬が車内に残されたらどんな気持ちか、どんなに体調が悪くなるか自分自身で実験してみたかったウォードさんは、その気持ちがよく分かったと言っています。
「犬の気持ちは想像できる。何もできなくて、怖くて、苦しくて。飼い主がいつ戻るか分からないまま不安を感じて、暑い車内で待つしかない。徐々に犬のエネルギー、いや、命が暑さに燃やされる。」
ウォードさんからペットの飼い主に直接向けた言葉です。
「1秒だけだ。すぐ戻る。窓開けとくから大丈夫。そんな言い訳はいくらでもできる。ただ、それはあくまでも言い訳だということ。なんの意味もない。」
最後に強い一言
「犬を車に置き去りにしないで!!」
と注意を促した。
他の動画も
ウォードさんに続いて、他の獣医たちも次々に動画を作っています。イギリスのローリーさん(Rory)の実験では、34度だった温度はたったの20分で50度近くまで上がりました。この若い男性もペットを置き去りにしないようにと、強く主張しています。
このような動画のように、大人でも暑い車の中でいるのは苦しいのです。汗をかくことで暑さを放熱できない犬はなおさら苦しいということがはっきりと伝わります。犬を車に置き去りにすると、大切なペットに苦しい思い出を残させることになりかねません。
最悪の場合、命に関わることにもなります。
しかし、置き去りにしてはいけないのはペットだけではありません。
赤ちゃんを車内に置き去りにして死亡
海外では、車の中で待たされた赤ちゃんが亡くなった事件は年に何回もあります。
今年の7月だけでアメリカで暑い車内に置き去りにされて死亡した子供の数は11人でした。7月28日アメリカのアリゾナ州では、生まれてからたった7ヶ月のエンドレス・ゼイン(Zane Endress)は車に忘れられて死亡しました。この24時間後、同じアリゾナ州で1歳の男の子も同じ理由で亡くなっているのです。
このような事件は珍しいことではありません。
1998年以降、アメリカで暑い車の中で死亡した子供の数は729人に達しています。今年だけでもう37人。
さらに、車が耐えられないほど暑くなるのは夏だけではないようです。
このような事件は冬の12月や1月などにも起きることがあります。太陽の光が強ければ、車はオーブンのように暑くなる可能性があります。
自分の力で車から出られる大人であれば、さほど危険ではないのかもしれませんが、小さい子供は助けを呼ぶこともできず、窓ガラスを叩き割ることさえできないのです。誰かの助けを待つしかありません。
本当に残酷な行為です。
子供の発明が解決に繋がる?
アメリカ人のBishop Curry V(ビショップ)くんという、たった10歳男の子の発明は車の置き去り問題が解決になる繋がる可能性があります。
きっかけは、ビショップくんの近所に赤ちゃんが車の中で死亡した事件でした。
ビショップくんは悲しい気持ちになって、このようなことが、もう起こらないようにと、あるアイデアを思いついたのです。考え始めて、作りたい機械の絵を描きました。ビショップくんが発明したデバイス「Oasis(オアシス)」は、置き去りにされた子供に涼しい空気を送り、自動的に両親と911番に電話をかけてくれるという優れものです。ビショップくんはお父さんと協力して、この機械で特許を取りました。
特許を取ってから、インターネットで寄付をもらい、トヨタに頼んでOasis(オアシス)を作ってもらいました。
このデバイスはたちまち有名となり、多くの人々に買ってもらいました。車に置いておけば、死亡事故が減っていくことに期待をされています。
最後に
どんな状況であっても、犬や他のペット、赤ちゃん、子供を車の中に放置してしまう事は絶対してはいけないことです。死亡事故も多数発生しております。耐えて生き残っても、辛い経験となるでしょう。
「置き去りにしない。」ということさえ覚えていれば二度とこのような残酷な悲劇は起こらないのです。